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マクベス

マクベス_e0023247_16234952.jpgマクベス
 ―W.シェイクスピア「マクベス」より―


2010.3.16 TUE
 18:30 開場  19:00 開演

世田谷パブリックシアター


【作】河合祥一郎
【構成・演出】野村萬斎
【出演】野村萬斎 秋山菜津子 高田恵篤 福士惠二 小林桂太

魔に魅入られた男マクベス
男と妻は一心同体
過ちはすぎ去るのか
血塗られた玉座で
今日を振り捨て
明日を信じる




 
*

まぁもう千秋楽も終わったし、気兼ねなく思いっきりネタバレで。

席は後ろの方だったけど、思いのほか観やすかった♪
セットは、なんだか意外。
半球状の白いのがデーンと真ん中に。

始まるとシルエットが浮かび上がり…萬斎さんカッコイイなぁ♪と。
(まだシルエットだけなのに!)
星がきらめき、月のしずくが幻想的。

魔女のシーンから。
「マクベス」読んだことあったけど、まったく覚えてなくて…
観劇前に、あらすじをおさらいしておいて良かった。
予備知識がなかったら、もうちょっと楽しさが減ってしまっていたかもしれない。
煙モクモク。1列目の人、うっすら煙の中に入っちゃってるよね?(汗笑)
でも、あの近さは羨ましい・・・

予言をあっさり受け入れるマクベス。
妻をとても愛している。とても愛し合っている二人。
妻は野心家。マクベスよりも。
なんなら、マクベスは小心者なのに、妻の言葉で動かされてるんじゃないかと
思っちゃうくらい。そんな前半。

マクベス・・・かっこいい。
横から見た時が、一層惚れ惚れしてしまうの。
スッとした立ち姿がたまらん! あの衣装も素敵だったしな~。

後半になると、マクベスが自身の考えで悪事を働き始める。
妻は悪いことをけしかけなくなる。
でも・・・どっちも病んでる。

魔女が釜にいろんなモノを入れるシーンは、なかなかシュール。
おどろおどろしいっていうか、なんかちょっとふざけてる感じで面白い。
そこから“大滅亡”・・・ビックリしすぎた。

終盤・・・
あの赤は印象的だったなぁ。
すごく美しかった。とても幻想的。

『マクベス』・・・とても良かった☆
観に行けて良かった♪

*

終演後にポストトーク☆

秋山菜津子さん、高田恵篤さん、福士惠二さん、小林桂太さんと、
世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎さん。
“出演者のみなさん”じゃないの。

「今さら自己紹介するのも変なんですが・・・
今の立場は当館の芸術監督の野村萬斎です。」ということなので(笑)
「今は司会の立場でございます。」・・・と。
「もうしゃべりすぎたし・・・(笑)」
「おでましくださーい!」と、他の出演者の方々召集。
いつもならビールを飲んでる頃のせいか、魔女の皆さまちょっとやる気なし?(笑)

菜津子さんはシェイクスピアが初めてということで、やる前とやった後で
違うこととかありましたか?と萬斎さん。

・・・菜津子さん。
ん・・・なんか羨ましい。下の名前で呼ばれるなんていいな~!


「本は読んでいたけど、萬斎さんがシェイクスピアのプロなんで・・・
いろいろ学ばせていただきながら、日々発見です。
難しいけど楽しいです。」と。


恵篤さんと福士さんは、ダリエ演出のマクベス(@紀伊国屋ホール 1997年)にも
魔女として出演されたとのこと。 (※マクベス:段田安則 マクベス夫人:南果歩)
で、萬斎さんはそれを観ていて、印象的で、とても衝撃的だったと。
魔女という役どころ、2度目ということを話してください・・・と。

本を読んでみると、魔女が騒がれてるわりに、2~3シーンしか登場しないから
あまり面白くないなーと思って。と(笑)
だから、やるならもっとイロイロやりたいと思っていて実現できて嬉しかった、と。
けど、実際にやってみると大変だったって。
そりゃそうだ(笑)

ダリエと演った時は、
「40を過ぎてて、頭を剃っても良くて、髭を生やしている」
という魔女の条件があって・・・
なんで剃毛にこだわるのかわからなかったけど・・・とも(笑)
今回は、剃毛(恵篤さん)と中途半端(福士さん)と長いの(桂太さん)に分けてくれたと。

前回は「助演女優賞取ろうね!」って話してたけど、今回は何を目指す?って
話になった時に、“大滅亡”を頑張ろうということに。
「今日、三上博史が来てたんだけど・・・」と福地さんてばアッサリと。
三上さんは福地さんの後輩だそうで。
・・・・・てか、三上博史!!居たんだ?見てみたかった・・・・・(ぉい)
で、その三上さんに楽屋で散々ダメ出しされたって(笑)
「キレが悪くなりましたね。」って。
あと、「亡霊の首・・・振りすぎじゃない?」と(爆)
その後もいろいろ続き・・・「散々後輩にダメ出しされました。」って(笑)
・・・三上さん、結構言うね~(驚)

“大滅亡”の話。
魔女のシーンは2、3シーンしかないけど、僕のイメージでは笑っちゃう。
失笑というか、苦笑してしまうことが多いんです。
たとえば、“地球釜”に、ゲームしながら気持ち悪いものを入れていくシーン。
でも、それが嘘じゃなく、ほんとに魔女だな!って思わせてくれるのが
伝家の宝刀“大滅亡”。
3人は亡くなった寺山修司主宰の天井桟敷、万有引力の先輩後輩の間柄で、
その劇団の身体表現として“大滅亡”というのがあるそう。

で、魔女のシーンは実感がないから、身体ワザとかないですか?って聞いたら
「万有引力には“大滅亡”っていうのがあって、
『マルサの女』に出てるんですけどねー・・・。」って言われたそう。
あれ?やって見せてはくれないのかな?ちょっと調べてみてください・・・みたいな
感じだったんだけど、立ち稽古に入って、魔女のシーンでやってくれるのかな?
とは思ってたけど、突然アレが始まったから、目が点になっちゃいましたって(笑)
うん。萬斎さんの気持ち、よく分かる!私もビックリしたもん。何事?って思ったもん(笑)


今回の、地球を模してるような、王冠と同じ形で、原爆ドームのようであり、
人それぞれに受け止め方が違うと思うけど、この簡略化した舞台というのは
菜津子さん、どうでしたか? と萬斎さん。
・・・菜津子さん。いいなぁ(←しつこい)
「具体的にあるのもいいけど、ないのも好きですね。」って菜津子さん。
でも、セットがほとんどないと立っているのも大変だったりしない?みたいに
萬斎さんがさらに聞くと
「でも、まだあるほうだと思う。」とバッサリ。
「そっか・・・」と、ちょっとショボーンな萬斎さん。
ん・・・? なんか、二人の関係は、菜津子さんが優位?(笑)

で、魔女3人さんは、位置関係や距離感を常に意識していたと。
「同じ釜の飯を食ってるというのはこういうことだなと思いました。」って萬斎さん。
いつの間にか3人が寄って行ったり、稽古の空き時間に3人並んで座ってたり、
結構不思議な光景だったそう(笑)


「マクベス演るのも勇気がいるけど、マクベス夫人もイロイロ言われますが
今回どうでした?」って、萬斎さんが菜津子さんに質問すると・・・
「自分ばっかり質問して・・・」と、ズルイ!と言わんばかりの菜津子さん(笑)
「今は司会だから・・・(汗)」
「マクベスからも何か言ってもらって・・・」
「司会だっつってんの!」
「司会だって出てるんだから~!
マクベスやってどうでした?」

・・・菜津子さんの勝ち(笑)
「稽古場でもほとんどこんな状態・・・(笑)」って、福士さんが(笑)
んー。なんか・・・想像できちゃうかも(笑)

「演出やりながらマクベスもやって、大変だと思うんですがどうですか?」

自分を一番後回しにするということで、多大なご迷惑をおかけするんですが・・・
シェイクスピアは飽きることがない。
こうかな~?って思ってると、違う面が見えてきたりして・・・
今日は、野太い感じになったと思う。

って。
「で! まぁ、そういうことで、マクベス夫人・・・」
・・・萬斎さん、司会業復帰!(笑)

「マクベス夫人は、すぐ悪女であると議論されちゃったりするんですが、
やってみてどうでしたか?」

「悪女はいっぱいやるんですけどー・・・」って髪をかき上げながら。
っくぅ~!かっけー!菜津子さん、かっこいいです!!

何かのインタビューで「今回も悪女ですよね」って言われて、
「あ、そうだっけ?」って思ったくらい忘れてたので、悪女と思ってやっていないと。
ふむ。たしかに・・・悪女じゃぁない気がする。うん。


「マクベス」・・・これからも進化していくと思うって、萬斎さんが仰ってたけど
今日の千秋楽はどれほど進化したのかしら・・・?
海外公演も視野に入れているとのことで・・・目が離せませんわね。
・・・行けないけどな(汗笑)


最後、質問コーナー。
一人目の方が、結構濃い。一人で2つ(?)、難しい質問してたかな。
パンフレットの文章から。
「それに答えると長くなる・・・」と苦笑するほど。

で、まぁ・・・私もそんなにしっかり覚えてないから、なんとなーくこんな話してた
って感じに書いておくに留めます。


「負の存在というのは、この間の・・・あ、この間はみなさん居ないんだ。」
って、萬斎さんの言葉に反応しちゃったよ☆
この間って・・・解体新書のことでしょ?きっと。
居ました、居ました!! ・・・なんかテンション上がる(笑)

「魔女って何?」って考えていた。
いきなり『万歳!マクベス。ブラームスの領主!』とか、
人のこと言ってくるとはどういうことだ?・・・と、メイド喫茶に行ってきた。
って。
んん?え。メイド喫茶ですか??(汗)
・・・萬斎さん、わずかの間をおき、ニヤリと笑う。 うぅ。絶妙な間だ!

『おかえりなさいませ、ご主人様♪』って・・・
なんでお前に言われなきゃいけないんだ!ってことを含めて、
突然知らない人に何かを言われるのはどういうことだろう?って思って。
って(笑)
なるほどねー。 メイドが魔女のヒントか・・・(笑)
あと、あの事件のことにも触れ、秋葉原って実はマクベスな場所だとも。

森羅万象 宇宙の塵から人間のクズまでくるイメージは、
人間の意識するしないの内の中に出てくるのが負の存在。
人間の負から生まれた魔女が逆襲していくのは、元に戻ろうとしているからで、
負だからこそ正に戻ろうとする。

人間が何の気なく、便利のためにやっていることが、いつしか自分に牙をむく。
無意識でやっていることに仕返しをされるというのは、魔女的。
と、エコの話も。

悪意を見せていた魔女たちが、自然の使いのごとく変わっていき、
人間の方がどんどん悪になっていく、クロスしてるイメージ。
「きれいは汚い。汚いはきれい。」という、反目する言葉に合ってると思った。

・・・などなど、深いお話。
ちゃんと書けないのがもどかしいけど。

次の質問者は、どういう風にお芝居を作り上げたか?みたいな感じのことを。

場所の定義とか、こういう風にやりたいっていうことは最初に言って、
その中で自由に発想していただいた・・・と。
魔女3人は特に試行錯誤したみたいで、魔女の姿のままでやるか、
化けてやるか、それともなりきってやるか・・・って。

菜津子さんが、「アイデア満載だから・・・」と萬斎さんを。
萬斎さんはアイデア満載・・・(笑)
稽古中、いろんな事を言われるそうで。毎日違うことを言われるそうで。
「・・・ほんと、いろんな事言うんだもん!」と、ここぞとばかりに不満(?)を言う菜津子さん(笑)

そうですねー。右って言ったことを急に左って言ったりね。
ほんとに悪気はないんですけど・・・
こっちから出してダメだったら、こっちから出してみようって確認をするので・・・
と続けられ、なんかすごく感心しちゃって、いろんな事言ってもいいじゃないか!
と、俄然萬斎さんの味方に(笑)

実は、呼び込みの人にメイドの格好をしてもらって、
「おかえりなさいませ、旦那さま。お嬢様。」って言ってもらったら
きっとみんな不快に思うだろうなーってアイデアがあったんですが・・・(笑)
って!(爆)
萬斎さんってば、ほんとアイデア満載!!

結局、そこまで気が回らなくて断念しちゃったとのこと。
でも、実は魔女の最初のシーンで、恵篤さんのセリフにメイドの名残が・・・
おかえりなさいませ。ブラームスの領主様!

のぉぉぉ~~!!!
そういえば、「おかえりなさいませ」って言ってた~!!と、思わずのけぞった(笑)
そうだよ・・・ほんとは「万歳」なのに・・・・・

もしも再演があれば、メイドの格好の呼び込みが実現するかも(笑)
一番面白いのは、魔女3人がメイドの格好をすることなんですが・・・
って。
あは☆ メイド魔女・・・
・・・・・・(汗)
画的にちょっと・・・・・?(爆)

でも、再演はしていただきたいなぁ♪
「国盗人」も再演したし、「マクベス」も・・・期待していようっと!!


そんなこんなのポストトーク。
面白かった♪


ちなみに。
たくさん降った、赤い葉っぱ・・・
紅葉は1枚8円!
使い捨てじゃぁございません。

・・・なんか、せっかくだから書き残しておきたくて(笑)


はー。またすっごく時間かかっちゃったなぁ。
金曜日のこと、連休中に書けるだろうか?

by さや | by SAYA-PEA | 2010-03-20 20:27 | エンタメ(*≧∇≦)b |

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