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MANSAI◎解体新書 -その拾六-

MANSAI◎解体新書 -その拾六-_e0023247_1958464.jpgMANSAI◎解体新書
      -その拾六-
     『依代(よりしろ)』

  ~宿りというポイエーシス(創造)~



2010.1.29 FRI
 18:30 開場
 19:00 開演

世田谷パブリックシアター


【企画・出演】野村萬斎
【出演】杉本博司 中沢新一


*
メモしながら聞いていたけど、それをまとめる集中力なく、今頃やっとエントリー。
・・・時間が経ってしまって、思い出せない部分も多いんだけど(汗)




*
テーマは「依代」。
神の御霊を降臨させる媒体としての「依代」。神が依り憑く「もの」「時」「空間」「人」を例に、そこから《芸術の起源》について考える。


・・・ということで、お話だけだと思っていたんだけど。

ステージが能舞台。
何もない、能舞台。
そして、萬斎さんが紋付袴のお姿で登場。
ステキ♡

そして、耳元から萬斎さんの声が!!(驚)
そうだった。音声サポートシステムがあって、イヤホン借りてたんだった・・・
つけなくても聞こえたんだけど、念のため借りてたんだ。
いや~・・・耳元で声が聞こえるとちょっとドキドキしちゃうよね(ぉい(笑))

それから、ゲストの杉本博司さんと中沢新一さん登場。
もちろん、舞台に上がる前に靴を脱ぐ。

ほぉ~・・・
今日はずっと、立ったままお話されるのかしら・・・?
と、不思議に思っていたら、萬斎さんから今日の進行について。

「サプライズで、最初にパフォーマンスをお見せします。」って!

ということで、前半は三番叟さんばそうを。
なかなか敷居が高くて、伝統芸能を観に行く機会がないんだけど・・・
こんな形で、観てみたかった『三番叟』を観ることができてラッキー♪

一旦、ステージ上の皆さまが舞台から去って・・・
上からしめ縄が下りてきて・・・
笛や鼓の方々登場。(あとで名前紹介されたけど・・・書き留められず)

【揉之段】と【鈴之舞】を。

【揉之段】は、直面(ひためん)で。
表情が変わるのが興味深く。
お囃子と掛け声が心地よく。

よーー ほー ぅんっはっ!
って聴こえたけど、なんて言ってたのかしら・・・

【鈴之舞】は、黒式尉(こくしきじょう)の面をつけて。
この、面をつける様子が素敵だ・・・
【揉之段】より厳かな感じ。
でも、徐々に激しくなって、目が離せない。

面を外す様子も厳か。
面に対する敬意がよくわかる。

拍手・・・していいものかわからず、周りの反応を待つ(汗笑)
で、拍手が起こって、私も。

~休憩~

後半、椅子やらテーブルがセッティングされてた。
で、萬斎さんお着替えして(当たり前だ(笑))登場♪
そして、改めましてのご紹介で、杉本さんと中沢さんが風呂敷包みを携えて登場。

杉本さんが「野村家出入りの古美術商」で、中沢さんが「番頭」なんだそう(笑)

以下、メモを頼りに、まとまらなくてもひたすら書いてみる。
抜けもありつつ・・・ 誰が言ったかもわからなくなったのもありつつ・・・

◎三番叟
ほんとは衣装があるんだけど、今日は紋付袴で観ていただきましたって。
・・・まさか「レオタードでやるわけにいかないので」って(笑)
腕をくるっとしたりしたのは、本来の衣装で袖を巻く(?)仕草だったとか。

正月に寿ぐ演目。
ストーリーがあるような、ないような・・・
【揉之段】で大地を踏み、【鈴之舞】で清める。
翁三番叟は変わった神様。面が変わってて、野卑な顔をしてる。
黒=死のイメージ。

「舞い手が自ら依代となって降霊する現場を観た!」
と杉本さんに言われ、萬斎さんは
「今日はそういう風にみんなで観てると思ったから、
呼ばなきゃいけないって思ってしまって・・・(笑)
普段のほうが自然にできるんですけど」
って(笑)

揉之段は、いろいろ踏み起してる。だんだん力が抜けてくる。
体を空洞化してから面をつける。面の表情のほうに変わってくる。


◎古美術商
公開で、面の販売?!(笑)

風呂敷包みを開けると、萬斎さんも感心するほど立派な面箪笥。
そこから、「野村萬斎が求める霊力に合う面」を萬斎さんにオススメする杉本さん。
顔から離れなくなっちゃいそうな迫力のある面が登場。

1)黒式尉(こくしきじょう)
試着・・・
装着感を上げるため(位置調整のため)、「面あて」というものがあるそう。
普段は面につけてあるけど、今回は試着だから別々に。
だから、顔のほうから面に。杉本さんが介添え。
「あまりキツくしめると、取れなくなりそう・・・」と、おびえ気味の萬斎さん(笑)

「さっきの黒式尉は、実は物足りなかった」と杉本さん。
うん・・・たしかに、こっちのほうが迫力がある。
萬斎さんが、横で舞ってみたり。
所作がゆっくりなほど、おどろおどろしく、気持ち悪い感じ・・・(汗笑)
翁は老人であり、子供である・・・とか、しばらくそのまま話してたけど
「もう外してもいいですか?」と萬斎さん。
・・・やはり、ものすごい霊力がやどってて疲れるのかしら?(汗)

2)延命冠者(えんめいかじゃ)
これも鎌倉時代の面。
父尉(ちちのじょう)と対の面。(親子)
アルカイックスマイル(←にたーーっていう笑い)
【揉之段】のラストの萬斎さんの笑顔もこんな感じって言われて、
「口角が上がりやすい。悪魔顔と言われたんですけど・・・」って萬斎さん。
悪魔顔って・・・(笑)

で、試着。
首を傾げてみたり、2~3階席を見上げてみたり・・・
なんか、そんな動きがとても面白い☆
「ややこしや」を思い出した。

笑いは、口が裂けて力が出てくるもの。
翁は、能の座主がやるもの。
サーカスでいうと、リーダーがやるのは道化の役。

萬斎さん、さっきの黒式尉よりも気に入ってるみたい(笑)
さっきのは重くて、早く外したいって思ったけど、今度はそうじゃないって。

・・・メモ書き4枚の1枚終了。 ・・・・・まとめられないせいで無駄に長くね?(滝汗)
これでも、けっこう端折ってる部分もあるのに・・・



◎仮面・能などなど
神の世界に入っていくには、外界を遮断するために仮面をつける。
顔の筋肉の動きを仮面の中に隠す。
動物にも表情があるけど、毛で見えない。
人間は、顔の筋肉の動きが全部見えるから、表情は真理の鏡。
顔というのは仮面。
面はリアリズム。
・・・なんのこっちゃなメモだな(汗)

写真は時間の記録。能は時間の跳躍。
って、杉本さんが言ってた。
ほぉ~。なるほどなぁ・・・と、みんな納得。
能を考え出した、観阿弥や世阿弥は革命的だったと。

中沢さんは、よく「猿楽」の話をする。
能の前に、猿楽というものがあったと。
動物のふりをしたり、死者霊をこの世に招くって。
死者と生きている人間が、一緒の空間を作り出す。
足を一歩踏み出すと死の世界、戻るとエネルギーが湧き立つような空間。
それを芸術にまでもっていったのがすごい・・・と。

鎌倉時代の面はシャーマン的な、ものすごい霊力があったけど、
時代の流れで(その時代の人の顔が面に現れるから)だんだん霊力が弱くなってきた。
ところが、突然変異的なことも起こる・・・
「萬斎さんは突然変異」って杉本さん(笑)

「過去の人たち(ご先祖様)と自分のつながりを感じる?」と中沢さん。
「これからを意識するほう」と萬斎さん。
でも、小さい頃から習っていたのは、全部が繋がっているということ・・・
無意識になれた時に自然に何か力がもらえるということ。

能舞台は死者がこの世界に戻ってきて、思いのたけを伝えるところ。
生きてる人間と死者が分離されていない、一体になっている場所。
三番叟は、舞台が湧き立つ、神秘性がある。

狂言師になろうと思ったキッカケは三番叟で、三番叟だけは惹かれた。
「だけ」ってことはないけど・・・(笑)
子供の頃は嫌な稽古を受けていたから・・・(笑)
でも、有無を言わさず、三番叟の魅力を感じた。

教わったことが自分の中で繋がるような、オリジナル。
若い頃の三番叟と今の三番叟は違う。
父の三番叟は「無」。
まだ僕は若干煩悩が見え隠れする・・・(笑)
舞踊的に見せようとしたり・・・
でも、父は「ただ在る」
戦意喪失・・・と。(笑)

「不射の射」
・・・何の流れだか思い出せないけど、この言葉。
なんか感じてメモったんだろうなぁ・・・ということで、とりあえずここにも記録。


◎能楽堂
賞をもらったので、そのお金で財団を作ったと杉本さん。
人工光がない移動能舞台を作った(作る?)と。

現在の薪能は嘘で、本当は薪の光だけでやらなきゃいけない。
それに、こんな・・・200人300人とかじゃなく、20人くらいしかお客さんはいない。
・・・と。
横で苦笑する萬斎さん。
それじゃ採算とれません(汗笑)

松を台車で移動して、松が依代になって、そこに神が降りてくるって話・・・
○○(←一応伏字(汗笑))の松の絵は下手!
こんなんじゃ神が降りてこないよ!!
画家の霊格が低い!
風呂屋で時々霊格の高い絵がある。
・・・とか、なかなかに毒舌!かなり面白い!!(笑)


◎U2
ニュースで知っていたけど・・・杉本さんの写真がU2のジャケ写になった話。
最初、依頼があった時に断ったんだけど、
写真に“U2”とか“ボノ”とか文字を入れちゃダメって条件つけてみたのに
あっさり了承されて、ジャケ写になったって。
ボノに会ってみたら「インテリジェンスが高かった。思いがけず。」と!!(笑)
杉本さん、面白いわー。

で、このジャケ写に関して金銭授受はなく、アートアナーキズム。
写真と楽曲を交換したと。これがニュースで話題になってたよね。

それから、コロシアムでのU2コンサートの模様を・・・
・・・非合法ってとこがツボでしたが(笑)
360°の海景。リズムに合わせて100点くらい表示されたと。

「共同幻想」
ボノがバルブの役目で、媒介して、小分けにして観客に共感を与えている。
現代も捨てたもんじゃない。神がROCKと共に甦ってる。


◎魔女
萬斎さん・・・実は今、あるお芝居を作っていて、魔女が登場すると。

魔女という存在は、異教の神の知識を身につけている人のこと。
すごくおどろおどろしい存在に思われているが、
「魔女そのものはイイ感じですよ?」って中沢さん(笑)
中沢さんが、海外でゲーテの先生だった魔女がいて、その子孫に会わないか?
って言われて会いに行ったことがあるって。

人間と自然の境界を自在に行き来出来るのが翁じゃないかと思う。
あと、「鬼女」「羅刹女」ともメモしてあるが・・・思い出せない(遠い目)

・・・メモ書き3枚目まで終了。あともう一息! てか、やっぱり結構忘れちゃってるなぁ。


◎三番叟の哲学
「三番叟が世界を救う!」と、杉本さんと中沢さんが盛り上がる。
横で、萬斎さんが苦笑い。

「大事な自然との距離」とか「観阿弥・世阿弥」のこと。
何も変化がないようで、実はそうじゃない・・・とか、
能は、政治にも直面する問題にも通じる・・・とか、
能は、アメリカの先住民の儀式に通じる・・・とか。

「野村さんの未来は大変だね!」と杉本さんが言えば、
「ますますなで肩に・・・」と萬斎さん(笑)

最後にはもう、
「野村さんの肩に国家の存亡がかかっている!!」
とまで言われてたよ(笑)

あぁ・・・なで肩なのに、国家の存亡まで背負い込むなんて!(笑)

お話は尽きないけれど、いつの間にやらいいお時間になってしまったようで・・・


◎質問タイム

「面がなぜ小さいの?」
三番叟はより小さい。
大きい面の代表はナマハゲ。
人間の肌が見えて、一部分を隠してしまうことで醸し出される何かがある。

山奥の、渓谷沿いのあの辺りが面白い・・・とか。
森林浴ならぬ、古代霊浴をする・・・とか。

「えー・・・だいたいよろしいですか?」と萬斎さん。
首が見えると生命感が伝わると。
面の付け方のことも。
顎が見えるように面をつけるが、下げると人間っぽく、上げると近代的になる。
もっと上げるとライオンキング。
・・・萬斎さんギャグ(笑)

肝心な答えが私のメモには書き記されておりませんでしたが・・・(滝汗)


「シャーマン的な、何か降りてきたことはある?」
サクッと「ありますよ」と中沢さん。(・・・いや、杉本さんだったかな?)
昔は手で原稿を書いていて、書き終えた時に鼻血が出たことがある。
ワープロになってからはないけど。

文章というのは、頭の中で考えたものを書くのではなく、
テーマを考えてる内に、言葉がほとばしるのだと。
だから、自分で結末がわからない。
でも、時々連載で失敗しちゃう・・・(笑)
どんどん関係ないほうに進んじゃうって(笑)
言葉の力は偉大。

杉本さんが中沢さんと楽屋で、能「巣鴨」というのを考えた。
靖国神社でやる、東条英機の霊が出てくる。
萬斎さんがアドリブで始めたりして、盛り上がる(笑)

「頭でドンドン組み立てちゃう」「え?ほんとにやっちゃうんですか?」と。
巣鴨の地蔵通りで、トゲが抜けない・・・とか。
いろいろ構想が出来てきたようで・・・ほんとにあるかもしれない!(笑)


などなど、話は尽きないのだけれども終了。
あっという間の1時間20分くらい。とっても楽しかった。

去り際に「ところでお会計は?」と杉本さん。
・・・そういえば、古美術商でしたね(笑)
「えっと・・・財団のほうから・・・」と萬斎さん。
杉本さんって、予想外だった。
こんなによくしゃべると思わなかったし、こんなに面白いと思わなかったから・・・


最後、萬斎さんがまとめ。
劇場に足を運んでもらえるように・・・とかなんとか。(ぉいぉい)

次回(その拾七)は、5月18日。
内容はまだ決まってませんが・・・
もしかしたら今日の続きになるかもしれませんが・・・
また違う内容になるかもしれませんが・・・
と、次回予告(笑)

続きでも、続きじゃなくても、また行きたいな~。
解体新書、面白い!!


ふぅ~・・・やっと。
やっと書き終えた・・・・・(遠い目)

by さや | by SAYA-PEA | 2010-02-06 20:13 | エンタメ(*≧∇≦)b |

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